エジプト・ケニア 5~7日目(アブシンベル、アスワン、白砂漠・黒砂漠)
・エジプト5日目(2010年12月10日)・・・・アブシンベル神殿、アスワン(アスワンハイダム、イシス神殿、切りかけのオベリスク)、ラムセスヒルトン泊
この日は、アスワンのホテルから車でアブシンベルまで行きました。
※前夜にアスワンのトーマスクックに立ち寄り、車の手配をしました。(トーマスクックというのはイギリスの旅行代理店です。外貨両替でも何度かお世話になりました。)「アブジンベル神殿、アスワンハイダム、イシス神殿、切りかけのオベリスクを回りたい」と言うと、最初は1500£E(約22500円)を提示されました
。「英語の話せるドライバーがいればガイドは必要ない。遺跡の入場券も自分で買う」と交渉したら1100£Eに下がりましたが、まだ高い。800£Eでどうか?と言うと、「それじゃ話にならない」と怒りだしてしまいました。
どうしても値段が折り合わないのでトーマスクックを出ました。「次はどこで交渉しようかな」と2人でガイドブックを広げていると、さっきまで不在だった店長さんが店に戻ってきて、手招きしています。
店長さんは前のスタッフと違って、常にニッコニコです。「僕はいつも日本人の味方だよ~。だってワイフが日本人だからね~。」(←たぶんウソ。)
「でも800£Eは厳しいなぁ~。1000£でどう?」「だめなの?じゃあ、900£Eで決まりだ。」「900£Eでも高い?でもアブシンベルって280キロも離れているんだよ~。850£でどうかな。」「ノー?う~ん、よし、じゃあ特別に800£でOK!」
やった~~~。交渉成立です。
さっき対応したスタッフは、苦虫を噛みつぶしたような顔をしています。紅茶をいれるから飲んでいきなよ、と言われたので遠慮なく頂きました。このときのリプトン紅茶は美味しかったわ~
。最後はすごく仲良くなって、一緒に写真を撮ろうと言われました(笑)
こちらが店長のフセインさん。陽気でトボけた感じの面白い人です。フセインさんとの会話は本当に楽しかったわ~。主人からも「おまえ、いきいきとしてたよ」と言われました
アスワンからアブシンベルに行くには、コンボイ(警察の護衛車両)と一緒に移動する必要があります。朝3時15分にホテルを出発し、6時半にアブシンベル神殿に到着しました。私は熟睡していたのでわからなかったのですが、移動途中の星空がものすごく綺麗だったそうです。
朝日がとてもまぶしいです。地図によると、この道を下って左にカーブすれば神殿が見えてくるはず!
あ!あれだわ~。ここから小走りに。
アブシンベル大神殿(世界遺産)
おお~~~!!大きい~~!!!これはすごい!!!!
(でも写真では迫力や凄さが全然伝わらないのが残念です。行ってみて感じるしかない場所だと思います。実物は圧倒的な迫力で強烈な印象を与えてくれますよ。)
これが3300年も前の建造物とは驚きです。左から2番目は上半身がなくなってしまっていますが、4体とも全てラムセス2世の像です。ラムセス2世は自分大好きなファラオなんです。
方角も緻密に計算されています。神殿の最奥に至聖所という小部屋があるんですが、ラムセス2世の誕生日と王に即位した日の2日間だけ、至聖所に太陽の光が届くようになっているそうです。
両足の間に小さな立像があるのが見えますでしょうか?これはラムセス2世の最愛の妻、ネフェルタリです。
右から見たり、左から見たり、後ろに下がったり、いろいろな角度から眺めちゃいました。
19世紀のイタリア人の落書き。砂にうもれていたアブシンベル神殿を発掘したのはイタリア人なんです。
アブシンベル小神殿(世界遺産)
6体の立像がありますが、左から2番目と、右から2番目がネフェルタリの像。あとの4体はラムセス2世です。
ちなみに、大神殿・小神殿ともに神殿内部は写真撮影禁止です。でも、両方とも内部の柱やレリーフは、あまりたいしたことはないように思いました。やはりアブシンベル神殿は外から眺めるのが1番です。
アブシンベル神殿のほとりから見たナセル湖
ナセル湖は琵琶湖の8倍の面積を持つ巨大なダム湖です。ナセル湖とアブシンベル神殿とは切っても切れない関係にあります。
1960年代、たびたび大洪水を起こしていたナイル川をなんとかしようと、エジプトではアスワンハイダムの建設計画がもちあがりました。ダムが完成すると、アブシンベル神殿は水没してしまいます。そこでユネスコ(国連教育科学文化機関)が、遺跡の救済キャンペーンを行い、アブシンベル神殿は1500個のブロックに切り分けられ、4年の歳月をかけて、60メートル上に移築されました。(当時の移築工事の様子をディスカバリーチャンネルで見たことがあるんですが、本当にたくさんの困難を伴った大事業でした。)
移築された2年後にアスワンハイダムが完成し、ナセル湖(ダム湖)が出来ました。こうしてアブシンベル神殿は水没から免れたのです。
この出来事がきっかけとなり、ユネスコの世界遺産条約が制定されました。「だから、アブシンベル神殿は世界遺産第1号だ」と思っている人が多いようなのですが、ちょっと違うんです。実は最初に登録されたのはガラパゴス諸島やアメリカのイエローストーンなどで、アブシンベルより1年早く登録されています。
2時間ほどアブシンベル神殿を見学したあと、朝食にしました。
バスマホテルが用意してくれたブレックファーストボックス
サンドイッチやクロワッサンが入っていましたが、パンがパサパサでした
。
9時過ぎ、アブシンベルを出発し、アスワンハイダムにむかいました。
アスワンハイダム(入場料20£E)
世界的に有名なダムですが、エジプトのガッカリ観光名所としても有名なところです。放水口が水面下にあるので、見えるのは普通の堤防だけ。ぱっと写真だけ撮り、次はすぐ近くにあるイシス神殿へむかいました。
イシス神殿のチケット(50£E)を買い、ボート乗り場へ。イシス神殿はフィラエという島にあるので、ボートに乗る必要があります。
ボート乗り場に行くと、往復で130£E(約2000円)だと言われました。「でも、公定料金はボート1艘で往復50£Eでしょ?」(なんでそんなこと知ってるんだ?という表情にはなったものの)「それじゃあ無理だな」と、向こうも一歩も引きません。このボート乗り場はボスのような人が取り仕切っていて、「ダメなら他のボートと交渉する」という手法が使えないんです。主人は「他の個人旅行者が来るのを少し待って、相乗りを提案しよう」と言います。数分後、2人の男性が来て相乗りすることが決まりました。2人のうちの1人はアラビア語がペラペラだったので、かなり激しく交渉してくれたのですが、結局1艘120£E(30£E×4人)までしか下げられませんでした。これ以上やっても時間がもったいないので、こちらもそれで了承しました。
イシス神殿のチケットは値上げしても良いから、ボート代込みのチケットにしないとダメだと思います。現状のままでは個人旅行者に悪いイメージを植え付けるだけですから。
フィラエ島まではボートで10分くらいです。
イシス神殿(世界遺産)
イシス神殿もアスワンハイダムの建設で水没の運命にありました。しかし、アブシンベル神殿と同様に、ユネスコの働きかけで標高の低い島から高い島に移築されました。
イシス神殿の至聖所のレリーフ
至聖所
イシス神殿は、キリスト教徒に傷つけられてしまっているレリーフが多かったのが残念でした。でも、やはりナイル川に浮かんでいるというロケーションが良いし、建物自体は本当に立派でした。
イシス神殿のあとは、切りかけのオベリスクに向かいました。
切りかけのオベリスク(世界遺産)
木のくさびを打ち込んでから水で湿らすと、木が膨張して石がパカっと割れるんだそうです。これが完成していたらエジプト最大のオベリスクになったそうですよ。
アスワンでの観光を終えた後、そのままアスワン空港まで送ってもらいました。19時10分発のエジプト航空(MS220便)でカイロへ。21時半にラムセスヒルトンに到着し、そのまま就寝しました。この日も盛り沢山だったわ~。
・エジプト6日目(2010年12月11日)・・・・バハレイヤオアシス、白砂漠、インターナショナルスプリングホテル泊
朝7時にカイロのラムセスヒルトンを出発。車で5時間かけ、西方砂漠(サハラ砂漠)のバハレイヤオアシスに到着しました。
バハレイヤオアシスのメインストリート
いかにも辺境の町、といった趣きですね~。砂漠ツアーが盛んなためか、ランドクルーザーを良く見かけました。
インターナショナルホットスプリングホテル
バハレイヤの町は汚かったですが、このホテルの敷地内はとてもキレイでした。ホテルのオーナーはドイツ人のピーターさんで、奥様は日本人のミハルさんです。私たちが到着したとき、ピーターさんが出迎えてくれたんですが日本語がペラペラですごく優しそうな人でした。ミハルさんは少し早口でハキハキした女性です。実際、このホテルを取り仕切っているのはミハルさんのような感じでした。
早速、エジプト料理のランチを頂きました。
アエーシ
前菜とアドゥス(レンズ豆のスープ)
ロズ(ライス)、羊肉の柔らか煮、トマト煮込み
前菜はどれも癖が強くて、あまり口にすることができませんでした。メインの3品はエジプト料理っぽさがなくて美味しかったです。
ランチを食べた後、いよいよ砂漠へ出発です。
砂漠でのキャンプをお世話をしてくれるドライバーのイサーム。ランドクルーザーに乗って、いざ砂漠へGo。
オアシスから走ること1時間半ほどで白砂漠が見えてきました。
まるでマリオカートのように、このボコボコした間をすり抜けて走ります。
途中ですれ違ったキャメルトリップの一行
ラクダに乗っているのは全員ヨーロッパ人のようでした。ここまで来るのに何日かかるんでしょうか。優雅な旅ですね~。
白砂漠で一番有名な「チキンとキノコ」
かなり強い風が吹いています。ドライバーも「こんな強風は珍しいよ。砂嵐だ。」と言っていました。帰国してから知ったんですが、エジプトの砂嵐は日本でもニュースになっていたそうですね。
今夜はこの白砂漠の中でテントを張り、キャンプする予定でしたが、ドライバーから「このままキャンプしてもいいけど、この強風だからホテルに戻ることも出来るよ。どちらにするかは君たちが決めてくれ」と言われました。
この強風では火もおこせないだろうし、曇ってるから星空も見えないだろうと判断。ホテルに戻ることに決めました。
インターナショナルホットスプリングホテルのお部屋の様子
急遽ホテルで宿泊することになりましたが、手際よくお部屋を用意してくださりました。
・エジプト7日目(2010年12月12日)・・・・バハレイヤオアシス、飛行機内泊
昨日と同じくらいの強風が吹いていました。でも、部屋でじっとしているのはもったいないので、黒砂漠を目指して出発です。
黒砂漠の手前で、急な斜面の砂山がありました。ドライバーに「登ってみる?」と言われたのでトライすることに。私だって鳥取砂丘は経験済み。楽勝~!なんて思ったのは最初だけ。砂がサラサラすぎるし、風は強すぎるしで途中でギブアップ。この写真は、ガニマタで登る私の後ろ姿を主人が笑いながら撮ったようです。
更に進むと黒砂漠が見えてきました。
主人がドライバーのイサームに「運転かわってくれない?」と頼み込んだところ、最初は「ノー」と断られました。「1分間だけで良いから」と喰い下がると、「日本人はオートマでしょ?これは左ハンドルのマニュアル車だけど、運転できるの?」「もちろん!毎日VWビートルを運転してる。まさに左ハンドルのマニュアル車だよ。」「・・・・・。よし、じゃあOK!」
黒砂漠を運転する主人
砂漠での運転はなかなか難しくて面白かったそうです。後ろから見てても、ものすご~く楽しそうでした。1分よりだいぶ長かったんじゃない? でも、貴重な経験ができて良かったね~。
黒砂漠へ到着です。この山の頂上がナイスビューだと言われたので頑張って登りました。
途中で振り返ると、乗ってきたランドクルーザーがあんなに小さく見えます。
頂上からの景色。どこか違う惑星に来てしまったんじゃないかと思うような風景で、すっごく感動しちゃいました。頂上は台風並みの強風でしたが・・
。
西方砂漠にくる日本人はまだまだ少ないようです。でも、白砂漠、黒砂漠ともに素晴らしい場所なので本当にオススメですよ。エジプトに再訪することがあったら、また来たいです。
ホテルに戻り、ランチを取った後、再びカイロへ5時間かけて戻りました。そのままハーンハリーリへ立ち寄りました。ハーンハリーリというのは500年の歴史がある市場です。
ハーンハリーリ(世界遺産)
日曜日だったせいか、早めにシャッターを降ろしてしまうお店も結構ありました。でも、市場の雰囲気は充分に楽しめました。
ハーンハリーリのあとは、そのままカイロ空港へ。
カイロ発23時25分のケニア航空(KQ321)に乗り、ケニアの首都ナイロビへと向かいました。6時間の飛行中は、機内食もとらず、飲み物も飲まずの爆睡状態でした。空席が多かったので1人で3席独占でき、フルフラット状態(笑)で寝られたのが良かったです。
*明日からはケニアのマサイマラの様子のレポをアップします。
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コメント
のりえさん最高~~ヽ(^o^)丿
もう見ているだけで癒されます!!
やっぱりますます行きたくなりましたよ。
ごはんも景色も最高~
ホテルも素晴らしいですね。
エジプトは他では絶対見られない景色や雰囲気があってステキですね。
砂漠を歩くのりえさんも最高~
つづきがまた楽しみです(^^ゞ
投稿: ぱお | 2010年12月23日 (木) 19時39分
こんばんは。
読み応えたっぷりでした!!
TVでしか見た事のない、景色の数々。。。
実際に目にしたら、感動する事間違いありません。
そうですよね〜。
写真では、その圧倒的な壮大さなどがとても
伝わらないと思います。
私達の大好きそうな旅でほんと羨ましいわ。
それにしても、普段はおっとりしているイメージの
のりえさんの違った一面が覗けて楽しかったです(笑)
体力もあるのですね〜@@
ケニア編も楽しみにしています^^
投稿: shoko♪ | 2010年12月23日 (木) 22時00分
いや~どれもすごい写真ばかりですね。
写真でこれだけすごいんだから、本物のすごさは想像を超えそうです。
我が家も子供が生まれる前に海外に行こうかって言っていますが、エジプトは難しいな。
子供が生まれたら、子供といけると世界観が変わってよさそうですね。
投稿: あーちゃん | 2010年12月23日 (木) 22時04分
のりえちゃんこんばんは
今日もまた見所たくさん!!!
アブシンベル宮殿、前からいろんな写真を
見てたことがあったから知ってるわ!
すごいところだよね~。
ほんとに大きい!圧倒されるわ。
砂漠をのぼってるのりえちゃんの写真
おもろい・・・プププッ
旦那様ナイスショット!
この旅行記、UPするの大変でしょ?
写真の整理も大変だと思うけれど
頑張ってね
つづきも楽しみにしてます!
投稿: うひひ | 2010年12月23日 (木) 22時39分
のりえさん、こんばんは^^
またまた素晴らしい神殿ですね。
なんとも神秘的な魅力に、癒されます。
羊のトマト煮、すごく気になっちゃいました。
それからそれから・・・
なんといっても砂漠を登るのりえさん最高~^^
素敵な体験ですねー
もう今日も感動の連続ですョ^^
ありがとうです。
投稿: tomato | 2010年12月23日 (木) 23時37分
この風景が同じ地球上にあるとは!
いいな~いつかこの目で見てみたい!!!
ラクダに乗っている人たちや
砂漠に残る足跡、どれもこれも素敵な写真ばかり♪
海外のパンってどうしてあんなにパサパサしてるんだろうね~
はずれることが多くて、いつもがっかりしていたような(涙)
投稿: なべちゃん | 2010年12月24日 (金) 05時26分
のりえさん、おはよー
・・・砂漠~、大迫力だねー
チキンときのこ・・・ほんとそっくりでかわいい♡
ご主人、砂漠を運転したのねー 食い下がった甲斐あり!
投稿: tonkichi | 2010年12月24日 (金) 07時06分
すごいーーーーー
すごすぎる。
1枚1枚がすごすぎて、叫びそうです@@
写真じゃ全然つたらわないすごさがあるだろうなーーー
写真だけでもこれだけすごいのに!
続きも楽しみにしてます!
投稿: maho | 2010年12月24日 (金) 08時26分
のりえちゃん
アブシンベル大神殿、あれは本当に
すごかったよね!
私、見た時の感動を今でも覚えてる。
写真の量がすごいだろうから、
時間がかかるだろうけど、引き続きの
アップ、楽しみにしてるね!
>温かい言葉有難う♪
投稿: keiton | 2010年12月24日 (金) 09時27分
のりえちゃん、メリークリスマス♪
いや~♪やっぱりどの景色を見てもエジプト雰囲気満載で素敵ポッ+゚*(○´∀`*艸).+゚*。:゚+
イシス神殿の壁画も感動だし、白砂漠のチキンとキノコも!!チキンの形だね(≧艸≦*)
ご主人も砂漠での運転体験出来て満喫だね~ww
あ!でも風が強すぎてキャンプできなかったんだね!
残念><
でも、それも旅行の楽しいところだもんね♪
本当に楽しい旅行記だわ♪
また、ケニアも一緒に旅行出来るのを楽しみに待ってるね~( *´艸`)クスクス
今日はクリスマスだね♪
素敵なクリスマスを~^^
投稿: ui | 2010年12月24日 (金) 10時01分
のりえちゃん
わたし旅行記すっごく楽しみにしているの。
明日で終わっちゃうなんて寂しい・・・
遠慮しないで(爆)
たくさんたくさん続けてね!
投稿: うひひ | 2010年12月24日 (金) 10時09分